「撮りに来てください」なのか「会いに来てください」なのか

私は現状の多くの撮影会をキャバクラ型と認識しています。
モデルは女性、カメラマンは男性、写真撮影でデータの共有をすることになるのに撮影という行為に支払いが発生するのはカメラマンのみ。

もちろんモデルには、自前衣装や、ヘアメイクの準備。体型管理や勉強など、撮影時間以外の労働もありますが、それはカメラを購入し、使い方の訓練を積むカメラマンの努力と同じです。

以前「カメラマン向けポージング講座を無意味と思う理由」にも書きましたが
若く美しい女性には存在するだけで金銭が支払われる価値があることは事実です。だからこそ、クラブやキャバクラ、ラウンジなどの水商売が成り立っている。
私はこの文化を否定しませんし、なにより私自身が約10年銀座のクラブに大変お世話になりました。
お客様や、ママ、お姉さんたちから多くのことを学ばせて頂いたと思っているので、ナイトワークそのものへの否定の気持ちはありません。

ただ、商業写真と、ナイトワークを経験した立場として
その二つがごっちゃになっているかのような現状の「キャバクラ型撮影会」これに違和感を感じずにいられません。

私が違和感を感じるのは
アートとか芸術を名乗り作品制作をしているつもりで

「●月●日 ××撮影会に出演します。会いに来てくださいね

会いに来てくださいねと書いてしまうこの心理。

撮りにじゃなくて?
会いに

言葉尻にかみつくやな感じかもしれませんが、本当に作品を作るんだという意識をもっていたら、撮ると会うを書き違えることなんてないと思うんですね。

ただ、多くの撮影会モデルたちは必死です。
撮影会に来てくれた、自分を撮りに来てくれたカメラマンを満足させたい。いい写真を撮れたと思って欲しい。楽しい撮影時間を過ごして欲しい。
そこにあるのは純粋な思いです。

そして「傷つくことを言われたけど反論しなかった」「やりたくないことをやった」「どんなことでも我慢するのがプロ」という認識の下の笑顔で無理を重ね、心を病んで去って行くモデルのなんと多いことか。彼女達は身を守る術を知らぬまま、最前線に立たされた兵士です。
これが、芸能事務所、モデル事務所所属からのスタートであれば、もう少し身の守り方、嫌なことの我慢の仕方では無く回避の仕方を教えてくれる人がそばに居たり、何か嫌な思いをしても話せる見方がいます。しかし撮影会に所属していたとしても、撮影会は撮影会ですのでモデルに身の守り方を教えてくれる機会はとても少ない。

そうして多くのモデルは、嫌な思いをしない方法を模索していきます。
カメラマンの機嫌を伺い、撮影会という時間をおもてなしの時間として努力します。撮影会は、写真を作る場であり接客の場でもあります。
身を守るための接客術を伸ばしていくのです。

そういう風に、撮影会はどんどんキャバクラ型に進化していっている。
「メイド喫茶」のように、「撮モ喫茶」とかそのうちできるんじゃないかな。

ならばその流れと同時に、写真の追求をしていける撮影会が、アトリエのような撮影会があったらいいなと思いました。
カメラマンも、モデルも学ぶことが出来るような撮影会。
ものづくりの基礎とルールを学ぶことで、今後の自分の身の守り方を学べるような撮影会。
撮影は本当に楽しいということが感じられる撮影会。
一枚が人の人生を支える力をもっているという写真の力。

「キャバクラ撮影会」
「アトリエ撮影会」
この二分化を進めていきたい。

私は撮影会モデルは勉強不足だと再三述べてきましたが、学ぶ場が不足していたのは確かですし、訓練の場を用意せず実戦へ彼女達を送り出していた撮影会運営の責任も大きいと考えています。

写真が好きです。そして撮影という時間が好きです。
自撮りが生活に密着してきた時代、自分でも自分のことが撮れる時代。
他人の目を通した写真が、いかに愛しくて、力を与えてくれるか、またそれを撮るために他人同士が向き合う時間がいかに貴重なものか。
そういうことを撮影会に求めていきたい。

4月20日に北海道札幌市にて、実践型Wショップ撮影会として「アトリエ撮影会」を開催します。
私は都民ですが、今回札幌を開催地とさせて頂いたのは、

①北海道東川町「写真の街」
30年前に「写真の街」宣言、2014年には「写真文化首都」宣言
https://town.higashikawa.hokkaido.jp/
私たちは「写真文化」を通じて「この小さな町で世界中の写真に出逢えるように、この小さな町で世界中の人々と触れ合えるように、この小さな町で世界中の笑顔が溢れるように」願っています。
―宣言文より抜粋―

北海道東川町は写真による町おこしに成功した豊かな街でした。30年前に写真と共に生きようと決めた人々の思いがこの街をつくったということに感動を覚えました。

②東京以外の場で初開催を
初開催は最も難しい物です。もし都内で開催したとき、多くの懇意にさせて頂いているカメラマン、逆転撮影会スタッフに頼ってしまうでしょうし、本当に一から参加者のみなさんとチャレンジする時間を作りたかったという思いがあります。

また今後GWを目処に
モデル向けのWSを随時開催していきたいと思っています。撮影会の枠はこえて、どうしたら身を守れるか心を守れるか、そして表現が出来るのか、本当の基礎から発展までクラス分けしての開講を目標としています。
モデルに学ぶ場がないって文句言うなら、自分で作れって話ですよね。

今週は桜撮影真っ盛りの週末になりましたね。

写真は楽しい。撮影会は楽しい。
撮影会が文化的評価を受けるようになっていって欲しい。
いまは、心からそう思っているし、そのために何かしたいと思っています。

今日もお読み頂きありがとうございました。

よさの麻由